1. トップページ > 
  2. コラム > 
  3. キャリア > 
  4. 絶対NG!医薬品卸の口添えによる転職

絶対NG!医薬品卸の口添えによる転職

転職活動をする際、多くの場合、自身で転職活動先を探したり、人材紹介会社を利用したりしますが、まれに薬局や病院に来る医薬品卸企業の担当の口添えで転職をするケースがあります。一見、現場をよく知る医薬品卸の担当者から聞く情報を元にした転職は、有益なような気もしますが、おすすめしません。なぜ医薬品卸の担当者の口添えによる転職はよくないのでしょうか。

そもそもどんな仕組みで転職活動がすすむのか

薬剤師がほしい薬局や病院の採用担当者などが、医薬品卸の担当者に「近隣で転職したい人いないか」と相談をするところからはじまります。もちろん、採用担当者は人材紹介会社のように必ず紹介してくれるものとは思っていません。可能であればという程度でしか認識していません。相談された医薬品卸の担当者は、自身の担当エリアにある薬局や病院の薬剤師に、それとなく転職を考えていないかと声をかけます。転職希望のある薬剤師を見つけたら、求人を募集している店舗があるという話をするのです。

また、その逆で転職希望のある薬剤師から、近隣のエリアで求人募集をしている薬局や病院はないかと聞かれ、求人募集をしている店舗を探すということもあります。いずれにせよ、医薬品卸の担当者が転職の仲介をするというものです。しかし、人材紹介会社のコンサルタントのように条件交渉等はしません。あくまでも人材を募集している医療機関と転職希望のある薬剤師のマッチングのみです。

医薬品卸の担当者と薬局や病院担当者のメリット

医薬品卸の担当者は、薬局や病院の担当者に対して転職希望のある薬剤師の情報を伝えることで、何かしらの見返りを求めることができます。例えば、医薬品の価格交渉が有利になったり、他の医薬品卸企業よりも多くの医薬品を発注してもらったりすることができます。その他にも、個人的に謝礼として金品等をもらうこともあるようです。

一方、薬局や病院担当者のメリットは、採用コストを抑えることができます。人材紹介会社を利用して採用すると、入社する薬剤師の想定年収の20%から35%ほどを手数料として支払う必要があります。例えば年収500万円の人の場合は100万~175万円です。この手数料を考えると、低コストで採用ができることは魅力的なことなのです。

 

 

転職する薬剤師にとっては良い転職になるのか

では転職をする薬剤師にとって良い転職となるのかというと、残念ながら良い結果となったと聞きません。医薬品卸企業の担当者は人材紹介会社のコンサルタントとは異なり、履歴書の添削、面接日程の調整、面接のアドバイス、条件交渉等はしないため、それらすべてを転職する方ご自身で行う必要があります。そのため、「面接時は○○と聞いていたのに入社したら聞いていた話と違った」というトラブルに見舞われることも少なくないのです。また、入社後に実は人間関係が悪く人が定着しない職場だったことがわかり、転職したことを後悔したというケースもあります。

その他にも、医薬品卸企業の担当者による、個人情報の流出でトラブルに見舞われることもあります。医薬品卸企業の担当者と採用担当が話していたところを他の薬剤師が聞いてしまい、その地域で噂が立ち、今の職場に転職活動をしていることが漏れてしまうという事態です。この場合、薬剤師は単に引き留めに合うだけではなく、裏切り行為をしたとされ、会社からの信用を失う他、その会社において大きく活躍することが難しくなります。一時的に、引き留めのために賞与等での補てんがあるかもしれませんが、長期的には昇給が遅れる等冷遇されるおそれがあります。

人材紹介会社のコンサルタントは、転職する薬剤師と医療機関にとって中立の立場に立ち、それぞれの利益が最大化するように尽力しています。そのため、トラブルが少なく納得のいく転職をすることが可能です。医薬品卸企業の担当者は、最終的には自身の利益しか考えていないため、転職する薬剤師のことをないがしろにしがちです。内部情報を聞けることはメリットの一つでありますが、採用担当者や経営者から医薬品卸企業に伝わる内部事情はどれも聞こえのいいものばかりのはず。実情を聞くことはほとんど不可能でしょう。医薬品卸企業の担当者による口添えの転職をお考えの方は、今一度よく考えてみてください。