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変化する薬剤師業界でこれからも働き続けるためには?

  • レポート

近年薬剤師さんの働く環境は大きく変化し、ただ薬を調剤する役割だけではなくなってきました。今回は薬剤師業界の現状と課題から、今後も薬剤師として働いていくためには何が必要になるのか考えていきたいと思います。

増えつづける薬剤師人口 1番人気は薬局薬剤師

厚生労働省が2年に1度発表している「医師・歯科医師・薬剤師統計」を参照し、2010年〜2020年の薬剤師総数と施設別薬剤師数についてまとめてみました。

薬剤師総数と施設別薬剤師数

参考:「医師・歯科医師・薬剤師統計」(厚生労働省)より筆者作成

【わかったこと】
・薬剤師総数は年々増加し2020年に32万人を超えました。10年間で約4万5,000人増加しています。
・男女比は女性6割、男性4割で変わらず女性に人気の職業といえます。
・薬局で働く薬剤師数は年々増加していますが、病院や診療所などの医療施設で働く薬剤師数は横ばい傾向にあります。
2020年の薬局従事者は18万8,982人で全体の約6割を占めています。病院の従事者は5万5,948人、診療所の従事者は5,655人となっています。

最大12.6万人の薬剤師が過剰になる?

将来的に薬剤師の需要と供給のバランスはどのように変化していくのでしょうか?2021年6月に厚生労働省が開催した「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」で、薬剤師の需要推計が発表されました。この推計によると、2045年には最小で2.4万人、最大で12.6万人の薬剤師が過剰になると予測されています。

・最小の予測:人口減少・業務の変動要因を考慮した推計
 供給予測 43.2万人-需要予測 40.8万人=2.4万人


・最大の予測:国家試験合格者数・薬剤師の業務が現在と同程度とする機械的な推計
 供給予測 45.8万人-需要予測 33.2万人=12.6万人

今後10年間は需要と供給は同程度で推移しますが、業務充実により需要が増加すると仮定しても供給が上回る予測となっています。業務の充実と資質向上に向けた取り組みが行われない場合は需要が減少し、供給との差が一層広がることになります。 そのような事態にならないためにも、対人業務へのシフトやそれに対する診療報酬の改定など国全体で取り組む必要があるでしょう。

増えていく薬学部数 経営難に苦しむ大学も

そして、薬剤師数が過剰になると予想される状況で、薬学部の入学定員数の抑制や教育の質の向上、適正な定員規模のあり方や仕組みなどを検討するべきだという議論も巻き起こっています。
現在、薬学部の新設が次々に行われ入学定員も増加しています。厚生労働省の下記資料によると、2002年(H14)の定員は8,200人でしたが2020年(R2)には1万3,050人となり約1.6倍にまで増加しました。

薬学部数及び入学定員の推移

参考:「薬剤師に関する基礎資料」(厚生労働省)より引用

薬剤師は医師や歯科医師のように定員に関して国の制限がないため、次々に新設が行えてしまいます。大学側は6年間高い授業料を得られるため、経営面での利益が大きく薬学部の新設に前向きとも考えられます。また、薬剤師不足に悩む地方では地域医療を担う人材確保のため、新設に力を入れる傾向があります。
薬学部数が増加する一方で、定員割れなどにより経営難に陥っている大学も多くあります。2020年度の入学定員充足率が90%以下の大学は、私立大学59学部中23学部で4割弱を占めています。
特に、単科の薬科大学では定員削減といった厳しい状況になっています。医学部を持つ大学を軸に薬学部の新設や吸収合併する動きがある中で、学生集めに奔走する大学もあり二極化しています。 定員割れが続くと、学生の質の低下や学費収入など大学経営の面でも苦しくなります。また、国家試験の合格率が低いと学生からの人気は低いです。関東圏では大学の立地も人気を左右しており、郊外の大学は敬遠される傾向があります。

卒後研修で対人業務スキルを伸ばす

「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」では、卒後研修の制度化についても提言しています。卒後研修とは医師と同様に資格取得後、現場で修業経験を積む研修制度です。 アメリカでは50年前から「レジデント」と呼ばれる卒後研修が行われていました。卒後研修を受けた薬剤師のみ臨床薬剤師として働くことができるため、薬学部の卒業生のうち約4割が応募するほど人気のある制度となっています。
日本でもレジデント制度を導入している病院があります。2019年度から2021年度に行われた「薬剤師の卒後研修カリキュラムの調査研究」の一環として卒後研修に関するアンケート調査が実施されました。

各施設における薬剤師卒後研修の概要

参考:「薬剤師の卒後研修カリキュラムの調査研究(厚生労働省)_山田清文教授提出資料」より引用

調査結果によると、カリキュラムに基づく1カ月以上の卒後研修を実施している施設は、全1505施設中484施設と全体の32%を占めています。そのうち、薬剤師レジデントの研修を実施しているのは42施設でした。 規模が大きく薬剤師数が多い病院ほどカリキュラムに基づく長期研修の実施率が高く、逆に規模が小さく薬剤師数が少ない病院ほど実施率は低いという調査結果も出ています。

卒後研修のカリキュラム案は全体で12週以上で、最低4週以上は調剤などの対物業務、最低6週以上は今後重要とされている対人業務を行う構成となっています。

[必修(最低4週以上)]=対物業務
初期研修:医療倫理、患者対応、個人情報保護、感染対策など
内服・外用・注射剤の調剤:飲み薬や軟膏などの調剤、医薬品の管理など

[選択必修(最低6週以上)]=対人業務
1:外来患者の薬物治療管理(薬局勤務者向け)
2:入院患者の薬物治療管理(病院勤務者向け)

実際にレジデント制度を利用した学生からは、幅広い知識を深く学べ良い経験になったという声が上がっています。

「一人の患者さんに対して、納得のいくまで病態把握や薬物治療を検討することができた点やメンターの先生から熱心なご指導を頂き、症例検討や臨床研究を行うことができた点は大変有意義でした。」

 

「薬剤師ではなかなか学ぶ機会のないCT画像の読影や医師の立場での治療方針の考え方・患者への接し方などを学ぶことができました。学生時代も多職種連携について考える機会はありましたが、医師の立場や考え方・倫理観を知ることができ、本当の意味での多職種連携の理解に少しは近づけたのかなと思いました。」

 

参考:「名古屋大学医学部附属病院薬剤部HP」より引用

卒後研修を受けることで患者に近い位置で臨床業務ができ、医師や看護師と連携した服薬指導の経験ができます。
専門領域の研究もできるため、専門資格取得のために参加している学生も多いようです。また、大都市圏の病院で受け入れ人数を制限することで、地方の病院でも卒後研修のカリキュラム次第では薬剤師を集めることができると期待されています。 将来的な薬剤師の働き方を考えると、対人業務のスキルを実践的に学ぶことができる卒後研修を制度化するメリットは大きいのではないでしょうか。
懸念点としては、6年間薬学部に通った後に研修を受ける事で就職タイミングが遅くなることや受け入れ先の負担の大きさなどが挙げられています。年単位で在籍する場合は研修後即戦力として期待できますが、研修期間が短いと受け入れ先では教育の負担が大きくなってしまいます。
制度化を実現するためには、各病院が独自に構築しているカリキュラムや教育者の質を、第三者機関などで評価・保証することが欠かせないでしょう。研修希望者と研修病院のマッチング制度の構築や研修費用の公的な支援なども必要になってきます。

卒後研修は薬学生に対する研修になりますが、現役の薬剤師の方も何かしらの研修を通して対人業務のスキルアップを図る機会が必要になるかもしれません。

業務のICT化など、働き方の変化に対応できるかがカギになる

薬剤師の需要を今後も確保するためには、対人業務の充実と対物業務の効率化が必要となります。そのためには薬剤師にしかできない対患者への業務に集中するべきであり、それ以外の調剤業務などは機器の導入や調剤業務の外部委託制度の導入を検討することになりそうです。

特に、オンライン服薬指導や電子処方箋などの解禁は見逃せない話題です。
オンライン服薬指導は2022年3月31日よりすでに施行されています。これにより、オンライン診療の実施有無に関わらず初回からオンライン服薬指導が可能になりました。 外出が難しい患者に対しても服薬指導が可能になるため、業務効率化につながるだけでなく患者にとってもメリットの大きい変化になっているはずです。

そして、病院や診療所と薬局間で情報共有を迅速に行うことができる電子処方箋は、2023年1月より本格的に運用がスタートします。薬局側のメリットとしては、複数の医療機関や薬局で直近に処方・調剤された情報が参照できるので重複投薬のチェックが可能になります。また処方箋の入力作業や保管が不要になるので、より対人に関する仕事に注力できます。ただし、電子処方箋を利用するにはオンライン資格確認の導入が必要になるので、すべての医療機関ですぐに実施ができるわけではないため、普及にはまだまだ時間がかかりそうです。

このところ、薬剤師を取り巻く世界に様々な変化が起きています。時代の変化に応じて、働き方を変えたり、必要なスキルを身に着ける必要が出てくるでしょう。ファーマキャリアでも引き続きキャッチアップを続け、薬剤師の皆様の転職サポートをしてまいります。相談したいことなどがあればお気軽にご連絡ください。

参考:
「どうなる調剤業務の外部委託、2022年6月23日現在のとりまとめ案」
「オンライン服薬指導について」(日本薬剤師会)
「電子処方箋概要案内」(厚生労働省)

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